癌末期だった父親を看取るまで
うちの父親が癌が見つかって、検査して、抗がん剤治療をしながら、介護をしつつも看取りまでしました。その全経緯を書きましたので、似たようなことで悩んでいる人の参考になればと思います。アメブロにも書いてます。アメブロの方は、父親の癌の記事(15件) から見て頂ければわかりやすいと思います。
抗がん剤治療で必要となった費用、入院費用も今すぐ判るところは記載しました。その他、領収証を探してますので、不明な医療費などは後日、追記していきます。
いつも駄文で申し訳ありません。少しでも、誰かのためになれば、今後のためになれば、今悩んでる人の心的ストレスが緩和できれば良いなと考えてます。
2018年12月末日
体調が悪いとのことで、地元の街医者に行ったところ、別の病院で検査することを勧められた。別の病院で検査をしたところ、もっと大きな病院で施設が整っている、市民病院で検査をされることを勧められました。
この時点で家族は不安になりました。当たり前のことです。自分の父親が重大な病気に罹っているかもしれないのですから、不安になるに決まっています。そして、市民病院で検査をしたところ内蔵にいくつかの影があると診断されました。この影を癌と呼ぶと言われました。
2019年1月~2月
市民病院では検査入院をしました。
腎臓、肝臓、腸、肺に転移していることが判りました。
そして、原発となっているのが腎臓がんであることが判明しました。原発というのは、それが大元になっているということです。なので、父親の場合は腎臓の癌がさいしょにできて、そこから転移をしているということです。
そして、原発癌が判明すると、それに効く治療法を模索したり、抗がん剤を選択するということになります。なので、癌の原発を探るということは、とても重要です。
その他の症状
既に癌が転移していたということもあり、心不全の兆候がありました。心不全の兆候という言葉がおかしいかもしれませんが、心臓が弱っていました。腎臓癌であることから、腎機能が低下していることに併せて、心臓の機能も低下しており、身体全体の代謝がし難くなっていました。その影響で全身が浮腫んでいました。
この症状は、検査入院をしながら、緩和させて戴けました。なので、癌の検査入院だったのですが、全身の浮腫みをとるための治療も兼ね合わせていたので、入院期間は約2週間となりました。
治療法の模索
主治医と治療法を模索するなかで、別の病院に移って抗がん剤治療をするという案がありました。
そちらの病院で使用する抗がん剤は、1回90万円、3回投与するという治療になるとの説明でした。1回90万円といっても、医療保険の負担が1割負担となるので、1回9万円になるだろう、3回投与しても27万円になるという説明でした。
また、高額医療制度が適用されれば、一ヶ月以上継続して治療を受ける場合、 57,600円で済む(お住まいの地域によって異なるかも)であろうという説明でした。
うちの父親は、医療費のことよりも別の病院に移って抗がん剤治療をすることが嫌だったみたいです。
なんだかモルモットのような扱いをされるような気がしたと言っていました。
そして、今現在治療を受けている病院で抗がん剤治療をすることとなりました。病院に通院しながら、抗がん剤治療をすることとなりました。
抗がん剤治療するのに入院しない
抗がん剤治療するのに入院しないのかと言われることもありましたが、最近は入院しないことが多いようです。通院して抗がん剤治療をするというのが、一般的なようです。
抗がん剤の投与の仕方によっても入院するのかどうかが変わってくるようです。父親の場合、飲み薬タイプの抗がん剤を服用するとのことで、入院はしないということでした。
主治医からはっきりと言われたこと
今後、どのような治療をしていくのか説明を聞いたときに、はっきり言われたことがあります。それは、父親が高齢者であることと、既に癌が転移していることもあり、一生懸命がん治療することはできませんと言われました。
言い方を替えると、もう治りませんよという意味です。
もともと、抗がん剤治療することが、そういった意味だったりするそうですが。
年齢が75歳ともなれば、まずまず平均寿命近くは生きているので、これ以上に延命させることも難しいという意味もあるそうです。年齢が40代、50代とかであれば、必死になって治療して、延命させる甲斐があるということです。
うちには弟が居るのですが、主治医に一生懸命に食ってかかるように説明に対する質問をしていました。が、主治医に喧嘩腰で説明の詳細を求めたところで、症状が好転することは絶対にありません。家族として、親族として、これから何をするのか、何ができるのか、どのような介護ができるのかを考えた方が建設的であると私は思いました。
医者からの宣告というのは、冷たくて酷いことを言われているように受け取られるかもしれませんが、医師としてのこの判断は適切だと思いました。
親族に癌を患っている人が居る場合、このような胸が詰まるようなことを聞かなければいけないことは、けっこう多いです。
抗がん剤治療を勧められる意味
抗がん剤治療を勧められる意味としては、今の癌を摘出したり、手術することが不可能であるということです。医者からはそのような明確な説明を貰えないこともあるかもしれませんが、抗がん剤治療をするというのは、既に手術ができない状態になっていると考えた方が良いです。
うちの父親の場合、明確に言われました。
腎臓、肝臓、腸、肺に転移をしているので、摘出するとかそういった手術は不可能である。
だから、抗がん剤治療になりますと言われました。
2019年3月 抗がん剤治療開始
2019年3月から抗がん剤の治療が開始されました。
- ヴォトリエント錠 200mg
- 単価:4,142円
これを1日に2粒飲むということです。
なので、1日に8,284円が必要ということになります。
一ヶ月間飲み続けた場合、247,440円となります。
抗がん剤治療はお金が掛かる?
金額面だけを考えると、とても不安になりますし、抗がん剤治療をするとなると、がん保険に加入してないからどうしようと不安になる人も居るかもしれませんが、大丈夫です。上述したように金額を計算すると、とても高額となります。が、高額医療制度が適用となりますので、実際のところは払えない程の医療費になることはありません。
高額医療費制度
抗がん剤治療はもともと高額医療になるということが判っているので、はじめから高額医療費制度が適用された金額を支払ってました。病院で診察を受けます。診察費は病院で支払いますが、460円くらいです。
病院から処方箋を貰い、処方箋薬局に行くと、24000円だけ支払ってくださいと言われて支払いました。細かな計算根拠などを聞くことはできませんでしたが、この24000円を3月に支払っただけで、4月26日の分までお薬代を支払うことはありませんでした。
ぶっちゃけ父親くらいの年齢(75歳)になると、がん保険なども使い道がないと思います。
放射線治療などの高額な先進医療をすることも無いからです。
高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)
高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)
2019年 4月4日 圧迫骨折
父親が自宅で転倒して、圧迫骨折しました。
抗がん剤治療で通院している市民病院に外来で行きました。
レントゲンを撮り、装具を取り付けるとのことで、装具用の型取りをして、装具をつくりました。
装具は実費となります。高額医療として後から役所に届け出ることで返金してもらえるという仕組みです。
圧迫骨折をしたことから、自由に歩き難くなってしまい、トイレに行くのが億劫となりました。
この時期から、オムツや尿瓶を使うようになりました。
自宅療養は辛い
はっきりって自宅療養は辛いですし、とても大変です。冷静に考えてみてください。自分の父親といえでも、病で苦しむ人間が自分の生活する傍に居るというのは、こちらの心的ダメージが大きいということです。こちらの健康が害されるような気持ちになってきますが、間違ってもそのようなことを言ってはいけません。
なので、自宅療養というのは、自分の父親が衰弱していくのを間近で見ることとなるので、とても辛いです。
だからといって、どこかの施設に入院させるという訳にはいきません。
特養とか、有料老人ホームなどは、癌患者は入居できないことが多いので、そのことも知っておくと良いです。
介護用ベッドをレンタル 2019年4月11日
母親がアルツハイマー型認知症で、母親に付いてくれていたケアマネさんに相談をしたところ、介護用のベッドを低価格でレンタルができるとのことでした。月額1500円とのことで、すぐに申し込みをしました。
ただ、月額1500円というのは、介護保険が使えたときの料金となります。
この時点で父親は要介護認定の申請をしていませんでしたので、前後しますが要介護認定の申請をしました。
介護用ベッドの詳細
介護用ベッドの詳細は以下の通りとなります。これだけがセットとなって、月額利用料金が1500円でした。とても低価格だったので、すぐに申し込みをしました。電動リクライニング式でした。
- ベッド
- 手すり
- 褥瘡予防マット
- テーブル
介護用ベッドの重要性と必要性
介護用ベッドといっても軽視してはいけません。体調が悪い人、癌患者、圧迫骨折をしている人にとっては、床で寝るよりもベッドの方が起き上がったりするのがとても楽です。手すりなどもあった方が安全です。
介護認定の申請 2019年4月15日
父親は、介護認定の申請をしていなかったので、介護認定の申請もしました。これは、ケアマネさんが直接動いてくれて、包括ケアに働きかけてくれたようです。
父親の介護認定をすることとなり、ケアマネさんが父親が通院することに同行することとなりました。主治医にも介護認定の申請をすることを話しておくことで、介護認定の調査で連絡が入ったときに適切な回答をしてもらえるように根回しをしたということです。
同行することで介護内容が見れた
ケアマネさんが同行されたことで、私が父親を連れて病院に行って、どれくらい時間を要しているのか、どのような介護をしているのかが垣間見れたはずです。介護認定の申請をしていない状態でしたが、この時点でケアマネさんは、これは絶対に要介護2~3は必要ですと言ってました。
たまたま、この日が午前中から病院に行き、圧迫骨折の診察をするためのレントゲンを撮りました。
心不全の傾向があるので、循環器の先生に診てもらうための採血。
腎臓癌と抗がん剤治療の状態などの診察のために泌尿器科の採血。
圧迫骨折で整形外科、心臓で循環器科、腎臓癌で泌尿器科というように、一日で3つの科で診察をすることとなり、午前からの診察なのですが、全ての診察を終えて、処方箋を貰って、薬を受け取って、帰宅すると午後6時近くでした。
体調が悪いから病院に行くのですが、病院に行くと体調が悪くなるというのは、まさしくこのことです。健常である私ですら疲労感がありましたので、癌を患いながらも圧迫骨折をしていた父親はもっと疲労していただろうと思います。
2019年4月24日 訪問調査
要介護認定申請のための訪問調査となりました。
現在の介護状態をヒヤリングをしていただきました。
2019年4月26日 通院
ゴールデンウィーク前ということで、診察をしました。
循環器科を受診したのですが、血液が不足している、貧血気味になっているとのことで、急遽点滴をしました。体力が無くなっているので、2時間ほどかけて点滴をしました。
2019年4月30日 通院
ゴールデンウィーク前ということで、大きな変化の有無、容態の確認という感じで、泌尿器科を受診しました。抗がん剤の副作用が強く出始めつつあったので、しばらく抗がん剤を飲むのをやめましょうと言われました。
2019年5月2日
市民病院で緩和ケアなどに関して相談。抗がん剤治療をしている父親の状態、自宅療養しているなかでも、やはり症状が悪化してきているのが目に見えて判ったので今後のことを踏まえて相談しに行きました。
市民病院などの大きな病院の場合、その病院内で無料の相談窓口などが設けられるていることがあります。
例えば癌患者のための緩和ケア相談や今後の入退院に関することなどが相談できます。
その病院に通院している患者さん、既に入院している患者さんのことしか相談ができませんが、無料で相談ができます。
私も色々なアドバイスがいただけます。
私の場合、父親が癌であることと、今現在の容態を伝えて、今後の対策に関して相談しました。例えば、今現在は通院&自宅療養だが、完全に動けなくなってしまった場合、車椅子になることが想定されます。が、自宅で過ごす場合、自分ではトイレに行くこともできないので、どのようにしたら良いのかなどを相談しました。
また、癌特有の痛みや苦しみに関しては、市民病院でも緩和病床があるので、対応ができるということを聞きました。
ただ、治療のために病院に連れていくだけではなく、このような無料相談窓口で相談をすることも必要です。今現在の自分の考え方が正しいのかどうかなどを測ることもできますし、自分の家族全体が間違った方向に進んでいるのかどうかなどの確認ができます。
介護はとても大変です。イライラしながらも、もしかしたら間違ったことをしている可能性もありますから。
2019年5月5日 入院
父親がフラフラする、眩暈がすると言い出した。今までに無い雰囲気だったので、午後6時30分頃に救急車を呼びました。いつも通院している市民病院に運ばれました。直ぐに検査をしたところ、出血性十二指腸潰瘍であることが判明しました。まずは、救急対応をするとのことで、出血しているところを止血してくれました。
救急手術されているときに先生から色々な説明を受けますが、そのときには、2019年5月2日に診察とは別で相談されていますねと言われました。
そのまま、入院となりました。
消化器内科の先生がついてくれることとなりました。
これで、父親はひとつの病院で、泌尿器科、整形外科、循環器科、消化器科という4つの診療科目でお世話になることとなりました。市民病院という大きな病院で良かったと思います。それぞれの診療科目が連携できるし、カルテも確認ができるので、それは良かったと思っています。
2019年5月14日 7時7分 父親他界
早朝に病院から連絡がありました。看護師さんが電話を掛けてきてくれたと思うのですが、どんなことを話したのかあまり覚えていません。お父様の容態が急変しました、お父様が良い状態じゃないので直ぐに来てくださいとかそんな感じだったと思います。
自宅から病院までは約20分で行きました。
病院に到着して、父親の顔を見た瞬間に亡くなったという感じでした。
死因は出血性十二指腸潰瘍でした。
その潰瘍が癌細胞だったようです。
入院してから9日間でした。
あっという間でした。
2019年5月22日
既に父親が亡くなっている状態でしたが、要介護認定の申請をしていた結果を郵送で頂けました。
要介護4 でした。
癌患者は要介護がとりにくいとのことでしたが、状況を把握してくれて、要介護4という納得できる認定でした。既に父親が他界していたものの、あの世で本人も安心しているだろうと思います。
癌末期だった父親を看取るまで あとがき
うちの父親が他界するまでのことを書きました。費用面なども細かく書きましたので、似たような状況にある人の不安や心配を少しでも軽減できればと思います。お金が全てではありませんが、金銭的な不安が軽減できれば、介護する側のメンタル的なダメージを減らすこともできます。
私が直接、何かをしてあげることは難しいですが、癌で父親を亡くした経緯を全て紹介することで、自身がどのように介護していけばよいのかなどのヒントになれば幸いです。
父親の看取りで幸いだったこと
不幸中の幸い、殆ど苦しむことが無かったことです。これに尽きます。末期癌となると、癌特有の痛みや苦しみに耐えられなくなるということも聞いていました。ですから、緩和ケア病床に関する相談もしていました。癌特有の痛みや苦しみが全く無かったという訳ではありませんが、悶え苦しむような感じではなかったので、それだけは良かったかなと思いました。
どれくらいお金が掛かったか
2018年12月末日~2019年5月14日 までの医療費となりますが、以下の通りとなります。細かな金額は省いていたり、実費で購入したものなどは含まれてないこともありますので、あくまでも概算となりますが、抗がん剤治療で看取りまでどれくらいお金が掛かるのか気になる人のために参考になれば幸甚です。
抗癌剤治療をするとなると、高額な医療費が必要になるというイメージがあります。実際に、それなりにお金は必要ですが、払えない程の金額にはなりません。例えば、2週間入院して、請求が70万円だった場合、1割負担で7万円となります。高額医療制度が適用されれば、57,600円で済みます。
高額医療制度は世帯収入によって変動しますので、お住いの市役所や病院で確認されると良いです。
医療費などは、領収証を探して調べてます。
- 検査入院:調べてます
- 圧迫骨折のギプス:調べてます
- 抗がん剤治療:調べてます
- 入院2回目:調べてます
この記事が似たようなことで、悩んでる人の悩み解決になったり、不安が解消できるような形になれば良いなと思っております。介護を経験した人にしか判らない苦しみと不安と悲しみを少しでも和らげることができれば幸甚です。